参議院選挙も残すところ3日になりました。
猛暑の中を熱心に選挙運動される姿には頭が下がりますが、中にはSNSをつかって露骨な誘導を試みるチームもあるようですね。アルバイトを動員してのネット対策なのかと訝ってみています。
では、それは一体どこの政党でしょう?(笑)
ところで今回の選挙の公約の一つとして目が留まったことは「給料が上がる経済政策」の実現というもの。
過去、安倍政権にあって民間企業に「賃上げの要請」を行ったことがありましたが、もちろんこれは政策と呼べるものではありません。
今回共産党さんは公約で「賃上げへの介入」とされています。「介入」・・・恥ずかしくないのでしょうか?(笑)
自民党さんは、岸田総理が自民党の総裁選の時からずっと言っている「成長と分配」を政策の基軸にしています。「成長と分配」の政策で所得の拡大を目指すそうですが、成長できなければ全ては絵に描いた餅になるわけで、やぎ的には残念ながら岸田内閣で今以上に経済が成長することは無いのだと思うのです。
「賃上げ」を公約に謳いながら、どなたも具体的に給料が上がる政策の中身を語っていらっしゃいません。
知らないから具体的に語れないのだろうと多くの方は思っていることでしょう。
民間企業に勤める社員の給料を増額するためには何が必要か?
答えは単純です。利益を増やすことです。利益といってもいろいろ見方がありますけど、「売上から売上原価を差し引いた 売上総利益」を増やすことが必要なのです。
ところが流通業やサービス業では人件費こそが売上原価になりますから、そこを増やすと売上総利益が増えないという仕組みになっています。
じゃぁどうすればいいんだというと、製造業の雇用者を増やす政策を実行すること、これが効果的なのだろうと思います。
製造業というのは、材料から製造や加工という工程を経て製品を生み出します。
そこには付加価値というものが生まれ、その付加価値こそが企業の利益に直結します。農業も同じです。種を撒いて育てたら実が育つ。この実についた価値が付加価値になる。
付加価値が高い製品を生み出せば生み出すほど、現場の待遇(給料)も良くなるわけです。
この仕組みを国家という規模に当て嵌めると、売上総利益にあたる部分はGDP(国内総生産)として表します。
だからGDPを増やす政策を実行しなければならない。
昭和から平成への好景気にあって、日本国内の製造ラインの多くが海外に移転していきました。
国際競争力と言う名の下で「より安い原価」で物を造るためでした。
その結果日本の国内に製造ラインに従事していた労働力が行き場を失ってしまい、その後日本に残った産業は流通業やサービス業のように付加価値を生み出しにくい産業ばかりとなり、現在に至るまで日本では労働者層の給料が上がらなくなりました。
「タマゴが先か、ニワトリが先か」
という議論がありますが、今の日本に必要なのは付加価値を生み出す製造ライン(ニワトリ)であるわけです。
このことが理解できれば「国民に10万円を給付する」とか「ベーシックインカムを導入する」といった政策(タマゴ)は何も解決できない的外れな主張であることも判ってくると思うのです。
by しろやぎ