ご褒美発見回路

読書月間の3冊目として手に取った本、株式会社ほぼ日発行の「岩田さん」でした。

岩田さんのことは存じ上げておりませんでしたが、初めにお勤めになられた「ハル研究所」はよく知っていました。やぎ、実はMSX世代なんです。この時点で親近感持ちました(笑)その後代表取締役を勤められた任天堂は言うまでもありません。

読了して思うことは、岩田さん、今上司にしたい人のアンケートをとれば絶対ベスト3になる人なのだろうな、と感じさせる方でした。
また厚生労働省が進めている「働き方改革」の陣頭指揮を揮って頂きたかったなと思える人、というのが率直な思いです。

余談ですが、この本、読み進めるとタイトルが「宮本さん」なんじゃないか?というくらい宮本さんの話題づくし(笑)宮本さんも存じ上げておりませんでしたが、現任天堂の代表取締役でいらっしゃいました。
自分が持っていない能力を持っている人ってまぶしい存在なのだと思うので、ちょっと判ります。

さて、本稿のタイトル「ご褒美発見回路」は、本書の中に出てくる仕事のやり甲斐を表すバロメーターのことです。
言い換えれば職業意識の目安みたいなものと言ったところでしょうか。

例えばラーメン屋さんが「お客さんが一口スープをすすって、これ旨い!ってひとことを言ってくれるのが嬉しくってそれがやりがいなんです」って語るみたいな、仕事をやり続けるモチベーションを違う言葉「ご褒美発見回路」で表現されています。

仕事がうまくいく人、うまくいかない人のちょっとした差。
仕事という労力やサービスを提供した結果、自分へのご褒美があったと思える人はそれを続けて行けて、ご褒美があったと思えなかった人は続けることができない。このように表現されています。部下の育成の部分も少なからず有るなと思わせるところです。

また別の機会に触れたいと思いますが、政府が進める働き方改革の中に、本当は必要だった視点なんだろうなと感じました。

この「ご褒美発見」という言葉、違うシーンでもう一度使われます。
それはゲームをする側の人、つまりエンドユーザーがゲームをやった結果、ご褒美を発見できるかどうかという、商品を提供される側の視点というかものづくりへのこだわりを表現する言葉です。

僕たちみたいにエンドユーザーに直接モノやサービスを提供する仕事だと、ごく当り前のことなのだけどいろんな職種の人にも当てはまることなのだと言えますね。

「ほかの人が喜んでくれるのが嬉しくて仕事をしている」  商売の王道って、この文句に尽きます。

 

ところで、岩田さんの天職であったであろうゲームというもの。
率直に言ってやぎは、TVゲームというモノを評価していません。やらず嫌いではないですよ。学生のころにやり尽くしゲームを卒業しました。
岩田さんの紙面にも出てきますが、ゲームは良くないものとする風潮にまんま同意します。

理由は、ゲームはあくまでディスプレイの中でのことであって、現実に手のひらの上に成果を乗せることができません。所詮バーチャルなんです。
だったらゲームにうつつを抜かすよりも、自分の手で何かを実現する事の方がはるかに有益だと考えます。

これはゲーム業界にだけ言えることでは無いですし、口で言う(書くも含む)ばかりの職業にも通じることかな。
口ではなんとでも言えるよ、キレイ事であったり、理想論をぶってみたり。だけど現実にあなたは何ができるの?形有る何がつくれるの?こう言いたいです。

やぎの考えは変わりませんが、任天堂さんは昨年「Nintendo Labo」をリリースされました。ゲームがディスプレイを飛び出したんです。
岩田さんのいう「リモコン」を操作することで、目の前のリアルな物体を動かすことができるってすごいことだなって思うと同時に、これを待ってたんだっていう自分の中の「そら見ろ」という思い、ご褒美発見した気分です。(笑)

任天堂さんには、「人と違うことをする」を実践する企業して、「リモコン×プログラミング」でどんなことが実現できるの!?
という新たな領域を開発していただきたいなと、とても期待しています。

by 白やぎ